現在推量の助動詞「らむ」と過去推量の助動詞「けむ」の基本的な活用などをわかりやすく解説しています。また、識別の練習問題を無料でダウンロードすることができます!
助動詞「らむ」の基本知識
助動詞「らむ」には①現在推量、②現在の原因推量、③現在の伝聞・婉曲の3つの意味があります。
「らむ」は終止形とラ変動詞の連体形に接続し、
「○・〇・らむ・らむ・らめ・○」と助動詞「む」に「ら」を付け加えた活用をします。
※ 「あり」+「む」がくっついた「あらむ」が省略した形になるため、助動詞「む」と似ている。
①現在推量「今ごろ~しているだろう」 …知覚できず起きている現在の出来事を推測する表現
例①)京の者なれば、かくやうのことをば、興ずらむとこそ思ひけるに、少し心づきなし。(今昔物語集)
都の者なので鹿を鳴くことをおもしろがるのであろうとおもしろみがない。
②現在の原因推量「~のは~だろう」 …目の前で起こっていることの原因を推量する表現
例②)命をかけて、何の契りにかかる目を見るらむ。(源氏物語)
どのような前世からの因縁によってこのような目にあうのだろう。
③現在の伝聞・婉曲「~ているのだろう」 …現在の状況を間接的に表現
例③)ある仏、何事思ひ給ふぞ。思すらむこと、何事ぞ」と言へば、(竹取物語)
お思いになるようなことは、どんなことか」といえば、
↓ 基本的な文法事項をまとめたプリントです。(復習などに使ってください。)
「らむ」の識別
助動詞「らむ」には、現在推量、現在の原因推量、現在の伝聞・婉曲の3つの意味があるため、文中での意味を確認する必要があります。
特に和歌で多く出てくる助動詞になるため、理解すると和歌の読解がしやすくなります。
①助動詞「らむ」の位置を確認する
文末 → 現在推量 or 現在の原因推量
文中で連体形 → 現在の伝聞・婉曲
②文脈から意味を確認する
「今ごろ~しているだろう」と目の前にないものを推測している → 現在推量
「~のは~だろう」と目の前にあるものの原因を推測している → 現在の原因推量
※ 現在の原因推量では「原因を表す語」や「疑問を表す語」を伴うことが多い。
助動詞「けむ」の基本知識
助動詞「けむ」には①過去推量、②過去の原因推量、③過去の伝聞・婉曲の3つの意味があります。
「けむ」は連用形に接続し、
「○・〇・けむ・けむ・けめ・○」と助動詞「む」に「け」を付け加えた活用をします。
※ 過去の助動詞「き」+「む」がくっついたものが省略した形と言われている
①過去推量「~ただろう」 …起こった過去の出来事を推測する表現
例①)翁、皇子に申すやう、「いかなる所にかこの木はさぶらひけむ。(竹取物語)
翁は皇子に、どのようなところにこの木はあったのでしょうか。
②過去の原因推量「どうして~たのだろう」 …目の前で起こったことの原因を推量する表現
例②)前の世にも御契りや深かりけむ、世になく清らなる玉の男御子さへ生まれ給ひぬ。(源氏物語)
前世でも因縁が深かったのであろうか、世にない、美しい玉のような男の皇子までもがお生まれになった。
③過去の伝聞・婉曲「~たような」 …過去の状況を間接的に表現
例③)かぐや姫を見つけたりけむ竹取の翁よりもめづらしき心地するに、(竹取物語)
かぐや姫を見つけたという竹取の翁よりも、不思議で珍しい気持ちがするので、
↓ 基本的な文法事項をまとめたプリントです。(復習などに使ってください。)
「けむ」の識別
助動詞「けむ」には、過去推量、過去の原因推量、過去の伝聞・婉曲の3つの意味があるため、文中での意味を確認する必要があります。
特に和歌で多く出てくる助動詞になるため、理解すると和歌の読解がしやすくなります。
①助動詞「けむ」の位置を確認する
文末 → 過去推量 or 過去の原因推量
文中で連体形 → 過去の伝聞・婉曲
②文脈から意味を確認する
「~ただろう」と目の前になかったことを推測している → 過去推量
「どうして~たのだろう」と目の前で起きたことの原因を推測している → 過去の原因推量
※ 過去の原因推量では「原因を表す語」や「疑問を表す語」を伴うことが多い。
練習問題(PDFダウンロード可能)
助動詞「けむ」 助動詞「らむ」の練習問題 です。
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助動詞「らむ」の識別 練習問題① 作成中
助動詞「けむ」の識別 練習問題② 作成中
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