【言語文化・古典探究】方丈記 〜 ゆく川の流れ 〜 解説と練習問題(PDFダウンロード可能)

古典読解

方丈記の「ゆく川(河)の流れ」の解説と問題を無料で閲覧・ダウンロードすることができます!

方丈記とは

「方丈記」は鎌倉時代初期の1212年に鴨長明によって書かれた随筆文学です。

清少納言の「枕草子」、兼好法師の「徒然草」とともに三大随筆の1つとされています。

「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず(変化する世の中を川の流れにたとえている)」という有名な一文で始まり、仏教の「無常観」を表した作品とされています。

「無常観」とは、世の中の全てのものは絶えず変化し続けているという考え方です。

鎌倉時代初期は地震や火災などの災害が起きたり、源平合戦(治承・寿永の乱)が勃発したりと、社会が混乱し、不安定な時代でした。

混乱する時代に対し、絶望するのではなく、世の中は「無常」だと理解することで、悟りを開こうとしたのが鴨長明になります。

このような社会に対する考え方や庵での閑居生活のさまなどが綴られたものが「方丈記」になります。

同じ時代に書かれた「無常観」を表している作品として「平家物語」が挙げられます。

「ゆく川の流れ」の大まかな内容

 流れる川の水が絶え間なく移り変わる様子や都の繁栄と衰退、そして人々の生活の移り変わりを通じて、世の中のすべての物事が常に変化し続けることを示しています。川の流れのように、世の中の人や物も永遠ではなく、常に移り変わるものであるという考えを述べています。

原文

 ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世中にある人とすみかと、又かくのごとし。

 たましきの都のうちに、棟を並べ、甍を争へる、高き、卑しき、人の住まひは、世々を経て尽きせぬ物なれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。あるいは去年焼けて今年作れり。あるいは大家滅びて小家となる。住む人もこれに同じ。所もかはらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二、三十人が中に、わづかにひとりふたりなり。朝に死に、夕に生まるるならひ、ただ水の泡にぞ似たりける。

 知らず、生れ死ぬる人、 いづかたより来たりて、いづかたへか去る。また知らず、仮の宿り、たがためにか心を悩まし、何によりてか目を喜ばしむる。その主とすみかと、無常を争ふさま、いはば朝顔の露に異ならず。あるいは露落ちて花残れり。残るといへども、朝日に枯れぬ。あるいは花しぼみて露なほ消えず。消えずといへども、夕を待つ事なし。

現代語訳

 流れゆく川が絶えることは無く、しかも、その水は元の水ではない。よどみに浮かぶ泡つぶは、一方では消え、また一方では生まれ、片時もとどまることはない。世の中に生きる人もその住みかもまたこれに同じようである。
 美しく立派な都の中にあって、棟を並べ、甍を競う、身分の高い、身分の低い人々の住まいは、何世代にわたって尽きせぬものだが、これを本当かとよく見ると昔からある家はめったにないのである。あるいは去年火事にあって今年立て替えられている。あるものは大きな家だったのが没落して小さな家に替わっている。中に住む住人もまた同じである。場所も変わらず、住む人も多いが、昔見たことがある人は、二、三十人のうちに一人か二人だ。朝に生れて、夕方には死ぬ、まったく川面に浮かぶ水の泡によく似ている。
 わからない、生れたり人、死んだりする人は、どこで生まれ、どこへ去るのか。またわからない、仮の住まいを、誰のために心を苦しめて、何のために目を喜ばせようとするのか。その主人と家とが、無常を競い合う様子は、言わば朝顔と露と変わらない。あるときは露が落ちて花が残っている。残るとは言っても朝日で枯れてしまう。あるときは花がしぼんで露がまだ消えない。消えないと言っても夕方を待つことはない。

解説(ポイントのみ)

①ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。

「絶え」の言い切りは「絶ゆ」になるためヤ行下二段活用。「に」は体言に接続しているため「断定」。

②よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世中にある人とすみかと、又かくのごとし。

「消え」の言い切りは「消ゆ」になるためヤ行下二段活用。

③たましきの都のうちに、棟を並べ、甍を争へる、高き、卑しき、人の住まひは、

「甍」は「いらか」と読み、屋根を意味する。「る」はハ行四段の已然形になるため「完了・存続」。

④世々を経て尽きせぬ物なれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。

「ぬ」は未然形に接続しているため「打消」。「ば」は已然形に接続しているため順接確定条件。

⑤あるいは去年焼けて今年作れり。あるいは大家滅びて小家となる。住む人もこれに同じ。

「り」は四段の已然形に接続しているため「完了・存続」。

⑥所もかはらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二、三十人が中に、わづかにひとりふたりなり。

⑦朝に死に、夕に生まるるならひ、ただ水の泡にぞ似たりける。

「ぞ」は強調を表す係助詞で、結びの語は「ける」。「ける」は「詠嘆」の助動詞。

⑧知らず、生れ死ぬる人、 いづかたより来たりて、いづかたへか去る。また知らず、仮の宿り、たがためにか心を悩まし、何によりてか目を喜ばしむる。

かたへ「か」と よりて「か」はそれぞれ疑問の係助詞で、結びの語は「去る」と「しむる」。

⑨その主とすみかと、無常を争ふさま、いはば朝顔の露に異ならず。あるいは露落ちて花残れり。

「朝顔」を「すみか」、「露」を「人」とたとえている。人よりも住処が長く残るという意味。

⑩残るといへども、朝日に枯れぬ。あるいは花しぼみて露なほ消えず。消えずといへども、夕を待つ事なし。

「ぬ」は連用形に接続しているため「完了」と判断する。

練習問題(PDFダウンロード可能)

問題は

①本文中にある動詞・助動詞の確認問題(品詞分解)

②読解問題

の2パターンあります。

無料でダウンロードすることができます!(できない場合は連絡ください。)

学校で学習してない文法事項や知識があった場合は解かずに次の問題を解いてください。

方丈記「ゆく川の流れ」 品詞分解 問題 

方丈記「ゆく川の流れ」 読解問題①

方丈記「ゆく川の流れ」 読解問題②

質問・要望は ↓のチャットでお願いいたします。

LINEオープンチャット 「古典(言語文化・古典探究)の勉強部屋」

誤字脱字や模範解答の間違いなどがある場合があります。その際は連絡をくだい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました