竹取物語の「ふじ(富士)の山」の解説と問題を無料で閲覧・ダウンロードすることができます!
竹取物語とは
「竹取物語」は、平安時代前期(800~900年)に書かれた物語で、現在は「かぐや姫の物語」として知られています。
「源氏物語」に「物語の出で来はじめの祖」と書かれていることから現存する日本最古の物語とされています。
作者は明らかになっておらず、文字を書けることから貴族だと考えられています。
ジャンルは「作り物語」に分類され、平安時代前期の「作り物語」として他に、「宇津保物語」、「落窪物語」などがあります。
内容は、おじいさん(竹取の翁)が、竹の中から三寸ばかりの女の子を見つけるかぐや姫の誕生、5人の貴公子による求婚、かぐや姫と帝の関係、月へ帰るなど、昔話と同じになります。
「ふじの山」の大まかな内容
中将が帝に対して、かぐや姫を留めることができなかったことを伝え、薬の壺と手紙を差し上げます。
手紙を読んだ帝は、食事や遊びができないほど落ち込みます。
帝は「かぐや姫のいない世界に意味はないと」いい、不死の薬の入った壺と手紙を天に一番近い山で燃やすよう命令します。
その出来事から、「富士の山」と名付けられました。
原文
中将、人々引きぐして帰りまゐりて、かぐや姫を、え戦ひ止めずなりぬる事、こまごまと奏す。薬の壺に御文そへ、参らす。ひろげて御覽じて、いといたくあはれがらせ給ひて、物も聞こしめさず。御遊びなどもなかりけり。
大臣、上達部を召して、「いづれの山か天に近き」と問はせ給ふに、ある人奏す。「駿河の国にあるなる山なん、この都も近く、天も近く侍る」と奏す。これを聞かせ給ひて、
逢ふことも涙に 浮かぶ我身には 死なぬくすりも何にかはせむ
かの奉る不死の薬壺に文具して、御使ひにたまはす。勅使には、調石笠と言ふ人を召して、駿河の国にあなる山の頂に持てつくべきよし仰せ給ふ。嶺にてすべきやう教へさせ給ふ。御文、不死の薬の壺ならべて、火をつけて燃やすべきよし仰せ給ふ。そのよし承りて、つはものどもあまた具して山へ登りけるよりなん、その山をふじの山とは名づけける。その煙いまだ雲のなかへ立ち上るとぞ言ひ伝へたる。
現代語訳
中将は、人々を引き連れて帰って、かぐや姫を、戦い留めることができず終わってしまったことを、詳しくお伝えした。薬の壺に手紙を添えて差し上げた。広げてごらんになって、とてもお悲しみになられて、何も召し上がらない。管楽などもされなくなった。
大臣や上達部を召しになって、「どの山が天に近いか」とお尋ねになると、その場にいた人が申し上げた。「駿河国にあるという山が、この都にも近く、天にも近いです」と申し上げた。これお聞きになって
もうかぐや姫に会うこともないので、こぼす涙に自分の身が浮かぶほど悲しい私には、不死の薬も何になるだろうか、いや何の役にも立ちはしない
あの差し上げた不死の薬の壺に手紙を添えて、使いにお与えになる。勅使には、調石笠と言う人をお呼びして、駿河の国にあるという山の頂に、持っていくようにとお命じになられた。頂上でなすべき方法をお教えになる。手紙と薬の壺を並べて、火をつけて燃やさなければならないという旨をお命じになる。その旨を承って大勢の兵を引き連れて山へ登ったことから、その山を「ふじの山」と名付けたのだった。その煙は、今でも雲の中へ立ち上っていると、言い伝えられている。
解説(ポイントのみ)
①中将、人々引きぐして帰りまゐりて、かぐや姫を、え戦ひ止めずなりぬる事、こまごまと奏す。
「帰りまゐり」と「奏す」は謙譲語で2つとも筆者から帝への敬意を表す。「え~ず」で「できない(不可能)」を意味する。
②薬の壺に御文そへ、参らす。ひろげて御覽じて、いといたくあはれがらせ給ひて、物も聞こしめさず。
「参らす」は謙譲語で筆者から帝への敬意、「御覧ず」と「聞ししめす」は尊敬語で筆者から帝への敬意を表す。「物」はここでは食事の意味になる。
③御遊びなどもなかりけり。
④大臣、上達部を召して、「いづれの山か天に近き」と問はせ給ふに、ある人奏す。
「上達部」は大臣や大納言などの三位以上の人の総称。「召す」は尊敬語で筆者から帝への敬意を表す。
⑤「駿河の国にあるなる山なん、この都も近く、天も近く侍る」と奏す。これを聞かせ給ひて、
「なる」は伝聞で「~という」と訳す。「奏す」は謙譲語で、筆者から帝への敬意を表す。
⑥逢ふことも涙に 浮かぶ我身には 死なぬくすりも何にかはせむ
「なみ」が「無み」と「涙」の掛詞になっている。
⑦かの奉る不死の薬壺に文具して、御使ひにたまはす。勅使には、調石笠と言ふ人を召して、駿河の国にあなる山の頂に持てつくべきよし仰せ給ふ。
「奉る」は謙譲語、「たまはす」と「召す」は尊敬語でそれぞれ筆者から帝への敬意を表す。「あなる」は「あんなる」が音便化したもの。
⑧嶺にてすべきやう教へさせ給ふ。御文、不死の薬の壺ならべて、火をつけて燃やすべきよし仰せ給ふ。
す「べき」は当然の助動詞、燃やす「べき」は命令の助動詞。
⑨そのよし承りて、つはものどもあまた具して山へ登りけるよりなん、その山をふじの山とは名づけける。その煙いまだ雲のなかへ立ち上るとぞ言ひ伝へたる。
係助詞「なむ」の結びの語は「ける」。「ぞ」の結びは「たる」になる。
練習問題(PDFダウンロード可能)
問題は
①本文中にある動詞・助動詞の確認問題(品詞分解)
②読解問題
の2パターンあります。
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竹取物語「ふじの山」 読解問題②
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