【言語文化・古典探究】枕草子 〜うつくしきもの〜 解説と練習問題(PDFダウンロード可能)

古典読解

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枕草子とは

「枕草子」は平安時代中期、995~1001年の間に清少納言によって書かれた随筆です。

清少納言は紫式部と並び称される平安時代の女流作家で、一条天皇の中宮となった藤原定子に仕えていました。

平仮名を中心とした和文で綴られ、兼好法師の「徒然草」、鴨長明の「方丈記」とともに「三大随筆」の1つとされています。

300の章段からできており、内容において

類聚的章段…「ものずくし」と呼ばれる章段で「〜のもの」など特定のものを持ち出し、それの説明、主観的解説が書かれている。

随想的章段…自然など風景についての感想や歌の書き留めなどが書かれている。

日記的章段…中宮定子の女房として仕えていた間に起きた出来事や伝聞したことについて書かれている。

の3つに分けられます。

「うつくしきもの」の大まかな内容

類聚的章段の1つで

「瓜にかいている幼児の顔」や「瑠璃の壺」など清少納言が「かわいらしい」と思ったものをただ羅列しているだけの内容です。

原文

 うつくしきもの。瓜にかきたる児の顔。すずめの子の、ねず鳴きするに踊り来る。二つ三つばかりなる児の、急ぎて這ひくる道に、いと小さき塵のありけるを目ざとに見つけて、いとをかしげなる指にとらへて、大人などに見せたる、いとうつくし。頭は尼そぎなる児の、目に髪の覆へるをかきはやらで、うちかたぶきてものなど見たるも、うつくし。

 大きにはあらぬ殿上童の、装束きたてられてありくもうつくし。をかしげなる児の、あからさまにいだきて遊ばしうつくしむほどに、かいつきて寝たる、いとらうたし。雛の調度。蓮の浮葉のいとちひさきを、池より取りあげたる。葵のいとちひさき。なにもなにも、ちひさきものはみなうつくし。いみじう白く肥えたる児の二つばかりなるが、二藍の薄物など、衣長にてたすき結ひたるがはひ出でたるも、また短きが袖がちなる着てありくもみなうつくし。八つ、九つ、十ばかりなどの男児の、声はをさなげにて書読みたる、いとうつくし。

 鶏の雛の、足高に、白うをかしげに、衣短なるさまして、ひよひよとかしかましう鳴きて、人のしりさきに立ちてありくもをかし。また親の、ともに連れて立ちて走るも、みなうつくし。雁の子。瑠璃の壺。

現代語訳

 かわいいもの。瓜に描いた小さい子どもの顔。すずめの子が、ねずみの鳴き真似をすると踊るように寄ってくる。二、三歳くらいの子どもが、急いで這ってくる途中に、とても小さい塵があったのを目ざとく見つけて、とてもかわいらしい指で取って、大人などに見せている様子は、とてもかわいらしい。髪をおかっぱにしている子どもが、目に前髪がかぶさっているのをかきあげもしないで、小首をかしげて物など見ているのも、かわいらしい。

 それほど大きくはない公卿の子どもが、立派な衣装を着せられて歩く姿もかわいらしい。かわいらしい赤ん坊が、少しの間抱いてあやしてかわいがっているうちに、しがみついて寝てしまったようすも、たいそうかわいらしい。形遊びの道具。蓮の浮き葉のとても小さなのを、池のから取り上げたの。葵のとても小さいの。何もかも、小さいものはみんなかわいらしい。たいそう色白で太った子どもで二歳ばかりのが、二藍の薄物などを、丈が長いのを着て、袖をタスキに結んで這い出して来たのも、また、丈が短い袖ばかり目立つものを着て歩きまわるのも、みなかわいらしい。八つか九つ、十くらいの男の子が、子どもっぽい高い声で本を読んでいる様子も、とてもかわいらしい。

鶏の雛が足長く、白く愛らしく、着物の丈が短い様子で、ぴよぴよとうるさく鳴いて、人の後先に立って歩くのもかわいらしい。また、親鳥が一緒に連れて走るのも、みなかわいらしい。雁の卵。瑠璃の壺。

解説(ポイントのみ)

①うつくしきもの。瓜にかぎたる児の顔。すずめの子の、ねず鳴きするに踊り来る。

「うつくし」は「かわいい」という意味。「たる」は連用形接続なので「完了」の助動詞。「来る」は連体形で、下に「うつくし(きもの)」が省略されていると考えられる。

②二つ三つばかりなる児の、急ぎて這ひくる道に、いと小さき塵のありけるを目ざとに見つけて、いとをかしげなる指にとらへて、大人などに見せたる、いとうつくし。

「なる」は体言に接続しているため「断定」と判断。「たる」は連用形接続なので「存続」。

③頭は尼そぎなる児の、目に髪の覆へるをかきはやらで、うちかたぶきてものなど見たるも、うつくし。

「なる」は体言に接続しているため「断定」と判断。「る」は四段已然形に接続しているため「存続」。「たる」は連用形接続なので「存続」。

④大きにはあらぬ殿上童の、装束きたてられてありくもうつくし。をかしげなる児の、あからさまにいだきて遊ばしうつくしむほどに、かいつきて寝たる、いとらうたし。

「ぬ」は未然形に接続しているため「打消」。殿上童は「わらは」と読み、「公卿の子息」を意味する。「られ」は子どもが着せられると訳すため「受身」と判断する。「たる」は連用形接続なので「存続」。

⑤雛の調度。蓮の浮葉のいとちひさきを、池より取りあげたる。葵のいとちひさき。なにもなにも、ちひさきものはみなうつくし。

「たる」は連用形接続なので「完了」。

⑥いみじう白く肥えたる児の二つばかりなるが、二藍の薄物など、衣長にてたすき結ひたるがはひ出でたるも、また短きが袖がちなる着てありくもみなうつくし。

肥え「たる」は連用形接続なので「存続」。「なる」は体言に接続しているため「断定」と判断。出で「たる」は連用形接続なので「完了」。

⑦八つ、九つ、十ばかりなどの男児の、声はをさなげにて書読みたる、いとうつくし。

「たる」は連用形接続なので「存続」。

⑧鶏の雛の、足高に、白うをかしげに、衣短なるさまして、ひよひよとかしかましう鳴きて、人のしりさきに立ちてありくもをかし。

⑨また親の、ともに連れて立ちて走るも、みなうつくし。雁の子。瑠璃の壺。

「雁」は鳥の「がん」。「瑠璃の壺」がガラスでできた壺を意味する。

練習問題(PDFダウンロード可能)

問題は

①本文中にある動詞・助動詞の確認問題(品詞分解)

②読解問題

の2パターンあります。

無料でダウンロードすることができます!(できない場合は連絡ください。)

学校で学習してない文法事項や知識があった場合は解かずに次の問題を解いてください。

枕草子「うつくしきもの」 品詞分解 問題

枕草子「うつくしきもの」 読解問題①

枕草子「うつくしきもの」 読解問題②

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