宇治拾遺物語の「検非違使忠明」の解説と問題を無料で閲覧・ダウンロードすることができます!
宇治拾遺物語とは
「宇治拾遺物語」は鎌倉時代初期の1220年ごろに書かれた説話集です。作者不詳。
197の説話からなり、上下の2巻または、15巻に納められている。
序文によると、平安時代に成立した『宇治大納言物語』に入らなかった説話(「宇治に遺れるを拾ふ」と書かれている)とそれ以降に書かれた説話をまとめたものだとされています。
内容は、仏教説話系と世俗説話系の2つに分かれ、身分を問わず、様々な人物の視点で書かれています。他にも中国、インドなどの説話も収録されています。
「わらしべ長者」など現在でも有名な話のモデルになったり、芥川龍之介の「鼻」は宇治拾遺物語の「鼻⻑き僧の事」から着想を得て書いたとされていたりと様々なものに影響を与えています。
鎌倉時代に書かれた説話は「古今著聞集」や「沙石集」などがあります。
「検非違使忠明」の大まかな内容
昔、忠明という検非違使がいた。若いころ、清水寺の橋の近くで若者たちとけんかになり、若者たちは刀を抜いて忠明を取り囲み、殺そうとした。忠明も太刀を抜いて応戦し、お堂の方へ逃げたが、そこにも若者たちがいて逃げ場を失った。そこで忠明はお堂の中に入り、蔀の下の戸を脇に抱えて、前の谷へ飛び降りた。すると、風にさえぎられて鳥が静かに舞い降りるように、谷底へ無事に落ちて逃げ切った。若者たちは谷をのぞき込んで驚き呆れたが、どうすることもできず、騒ぎはそれで終わった。
原文
これも今は昔、忠明といふ検非違使ありけり。それが若かりける時、清水の橋のもとにて京童部どもといさかひをしけり。京童部、手ごとに刀を抜きて、忠明を立てこめて殺さむとしければ、忠明も太刀を抜きて、御堂ざまに上るに、御堂の東の端にも、あまた立ちて向かひ合ひたれば、内へ逃げて、蔀のもとを脇に挟みて前の谷へ躍り落つ。蔀、風にしぶかれて、谷の底に、鳥の居るやうに、やをら落ちにければ、それより逃げて往にけり。京童部ども谷を見おろして、あさましがり、立ち並みて見けれども、すべきやうもなくて、やみにけりとなむ。
現代語訳
これも今となっては昔のことだが、忠明という検非違使がいた。それが若かった頃、清水寺の橋のそばで京都の若者たちとけんかをした。京都の若者は、手に手に刀を抜いて、忠明を囲んで、殺そうとしたので、忠明も太刀を抜いて、お堂のほうへ上ると、お堂の東の端にもたくさん立って、向かい合っていたので、お堂の中へ逃げて、蔀の下戸を脇にはさんで、前の谷へ飛びおりた。蔀は、風にさえぎられて、谷の底に鳥がとまるように、静かに落ちたので、そこから逃げ去った。京都の若者たちは谷を見下ろして、驚き呆れて、立ち並んで見ていたが、どうしようもなく、終わったということだ。
解説(ポイントのみ)
① これも今は昔、忠明といふ検非違使ありけり。
「検非違使」は平安時代に設置された、治安維持を行う役人のこと。
②それが若かりける時、清水の橋のもとにて京童部どもといさかひをしけり。
③京童部、手ごとに刀を抜きて、忠明を立てこめて殺さむとしければ、忠明も太刀を抜きて、
「手ごとに」は「それぞれの手に」という意味。「む」は意志の助動詞。「ば」は已然形に接続しているため「順接確定条件」。
④御堂ざまに上るに、御堂の東の端にも、あまた立ちて向かひ合ひたれば、内へ逃げて、蔀のもとを脇に挟みて前の谷へ躍り落つ。
「たれ」は連用形に接続しているため「完了」の助動詞。「ば」は已然形に接続しているため、「順接確定条件」。「蔀」は「しとみ」と読み、格子の内側にある戸を意味する。
⑤蔀、風にしぶかれて、谷の底に、鳥の居るやうに、やをら落ちにければ、それより逃げて往にけり。
しぶか「れ」は「受身」の助動詞。「居る」は「ワ行上一段活用」。「往に」は「ナ行変格活用」。
⑥京童部ども谷を見おろして、あさましがり、立ち並みて見けれども、すべきやうもなくて、やみにけりとなむ。
「べき」は「可能」の助動詞。「に」は連用形に接続しているため、「完了」の助動詞。
練習問題(PDFダウンロード可能)
問題は
①本文中にある動詞・助動詞の確認問題(品詞分解)
②読解問題
の2パターンあります。
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宇治拾遺物語「検非違使忠明」 読解問題②
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