【言語文化・古典探究】おくのほそ道 〜 平泉 〜 解説と練習問題(PDFダウンロード可能)

古典読解

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おくのほそ道 とは

「おくのほそ道」は江戸時代中期松尾芭蕉によって書かれた俳諧紀行文です。

「月日は百代の過客にして、行き交ふ年もまた旅人なり」という有名な文で始まり、

1689年に出発した江戸から、東北、北陸をめぐり、大垣(現在の岐阜県)に至る150日間の旅が

和歌を交えて書かれています。

平安時代や鎌倉時代に詠まれた和歌の名所や旧跡を中心にめぐり、今現在も名所として残っています。

他の紀行文には「更級日記」や「東海道名所記」などがあります。

「平泉」の大まかな内容

奥州藤原氏による平泉の栄華は今や跡形もなく夏草に覆われ、無常を感じつつ涙するが、金色堂のみ往時の姿を伝えている

原文

 三代の栄耀一睡のうちにして、 大門の跡は一里こなたにあり。秀衡が跡は田野になりて、金鶏山のみ形を残す。まづ高館にのぼれば、北上川南部より流るる大河なり。衣川は、和泉が城をめぐりて、高館の下にて大河に落ち入る。泰衡らが旧跡は、衣が関を隔てて南部口をさし固め、夷を防ぐと見えたり。さても、義臣すぐつてこの城にこもり、功名一時のくさむらとなる。国破れて山河あり、城春にして草青みたりと、笠うち敷きて、時の移るまで涙を落とし侍りぬ。

  夏草や兵どもが夢の跡

  卯の花に兼房見ゆる白毛かな 曾良

かねて耳驚かしたる二堂開帳す。経堂は三将の像を残し、光堂は三代の棺を納め、三尊の仏を安置す。七宝散りうせて、珠の扉風に破れ、金の柱霜雪に朽ちて、既に頽廃空虚のくさむらとなるべきを、四面新たに囲みて、甍を覆ひて風雨をしのぐ。しばらく千歳の記念とはなれり。

  五月雨の降り残してや光堂

現代語訳

 三代の栄華も一睡の夢のようであって、大門の跡は一里手前にある。秀衡の跡は田や野原になっていて、金鶏山だけが形を残している。まず高館に登ると、北上川は南部から流れてくる大河である。衣川は和泉の城を巡って流れ、高館の下で大河に流れ込む。泰衡たちの旧跡は、衣が関を間隔てて南部からの入り口を固めて、夷を防いだと思われる。それにしても、忠義の家臣を選りすぐってこの城に立てこもり、功名も一時のことで草むらとなっている。

  国が破壊されても山や川はそのままであり、荒れた城内にも春が訪れ草や木が深々と生い茂っている

と、笠を敷いて、時が移るまで涙を流した。

  今や夏草が生い茂るばかりだが、ここはかつては武士達が栄誉を求めて戦った跡地である。昔のことは儚く夢となって消えてしまったなあ

  卯の花が白く咲いているのを見ていると、あの兼房の振り乱して戦った白髪が思いうかぶことだよ 曾良

以前から噂を聞いて驚いていた二堂が開かれている。経堂には三代の将軍の像を残し、光堂には三代の棺を納め、三尊の仏像を安置している。七宝は消失して、珠宝で飾られた扉は風で破れ、金の柱は霜や雪によって朽ちて、もう崩れ果てて何もない草むらとなるはずだったのに、四面を新しく囲んで、瓦で覆って雨風を防いでいる。しばらくの間昔のことを思う記念となっている。

  あたりは雨で朽ちているが、五月雨がここだけには降らなかったかのように、金色堂だけは輝いている。

解説(ポイントのみ)

①三代の栄耀一睡のうちにして、 大門の跡は一里こなたにあり。秀衡が跡は田野になりて、金鶏山のみ形を残す。まづ高館にのぼれば、北上川南部より流るる大河なり。

「三代」は奥州藤原氏の三代を指す。「栄耀」は「えよう」と読む。うち「に」は体言に接続しているため「断定」の助動詞。「高館」は「たかだち」と読む。「なり」は体言に接続しているため「断定」の助動詞。

②衣川は、和泉が城をめぐりて、高館の下にて大河に落ち入る。泰衡らが旧跡は、衣が関を隔てて南部口をさし固め、夷を防ぐと見えたり。

「夷」は「敵」を意味する。「たり」は連用形に接続しているため「存続」の助動詞。

③さても、義臣すぐつてこの城にこもり、功名一時のくさむらとなる。国破れて山河あり、城春にして草青みたりと、笠うち敷きて、時の移るまで涙を落とし侍りぬ。

「たり」は連用形に接続しているため「存続」の助動詞。「侍り」は丁寧語で、「筆者から読み手」への敬意。「ぬ」は連用形に接続しているため「完了」の助動詞。

④夏草や兵どもが夢の跡

「や」が切れ字になっていて、初句切れ。「夢の跡」が名詞になるので、体言止めが使われている。

⑤卯の花に兼房見ゆる白毛かな 曾良

「曾良」は松尾芭蕉と平泉を訪れた「河合曾良」のこと。「かな」は切れ字。

⑥かねて耳驚かしたる二堂開帳す。経堂は三将の像を残し、光堂は三代の棺を納め、三尊の仏を安置す。

「たる」は連用形に接続しているため「存続」の助動詞。「光堂」は「ひかりどう」と読む。

⑦七宝散りうせて、珠の扉風に破れ、金の柱霜雪に朽ちて、既に頽廃空虚のくさむらとなるべきを、

「べき」は「当然」の助動詞。

⑧四面新たに囲みて、甍を覆ひて風雨をしのぐ。しばらく千歳の記念とはなれり。

「千歳」は「せんざい」と読み、「長い年月」を意味する。「記念」は「かたみ」と読む。

⑨五月雨の降り残してや光堂

「や」は切れ字で、二句切れ。

問題(PDFダウンロード可能)

問題は

①本文中にある動詞・助動詞の確認問題(品詞分解)

②読解問題

の2パターンあります。

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おくのほそ道「平泉」 品詞分解 問題①

おくのほそ道「平泉」 品詞分解 問題②

おくのほそ道「平泉」 練習問題① 

おくのほそ道「平泉」 練習問題②

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