推量・意志・適当・勧誘・婉曲・仮定の助動詞「む・むず」の基本的な活用、識別の仕方をわかりやすく解説しています。また、識別の練習問題を無料でダウンロードすることができます!
助動詞「む・むず」の基本知識
助動詞「む・むず」は①推量、②意志、③適当・勧誘、④仮定・婉曲の6つの意味があります。
「む・むず」はそれぞれ未然形に接続し、「む」は四段型、「むず」はサ変型で活用し、
音便化し、「ん」「んず」と表記されることもあります。
※奈良時代のみ接尾語「く」に連なって、未然形の「ま(く)」が使われることがある。
①推量「〜だろう」 …主語が三人称のことが多い。
例①)守柄にやあらむ、国人の心の常として、「今は。」とて見えざなるを(土佐日記)
国司の人柄だろうか、任国の人の心の常としては、「今は。」と言って顔を見せないようだが
②意志「〜よう」 …主語が一人称が多い。
例②)男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて、するなり。(土佐日記)
男がするという日記というものを、女の(私も)してみようとして、書いてみる。
③適当・勧誘「〜がよい、〜たらどうだろうか」…主語が2人称に多い。
適当は自分がいいと思うことをただ述べる、勧誘は2人称に対して誘う表現。
例③)子といふものなくてありなむ。(徒然草)
子どもというものはいない方がいい。 →自分がいいと思う考えを述べている。
例④)御弟子にせさせ給ひなむや。(枕草子)
あなたのお弟子にしてくれませんか。 →聞き手(2人称)で勧誘している。
④仮定・婉曲「〜ような」…文中に出てくることが多い。
「仮定」はほとんど出てくることがなく、「婉曲」は訳さなくても通じるため気にしなくても大丈夫です。
例⑤)心劣りせらるる本性見えむは口惜しべし(徒然草)
ついがっかりしてしまう本性がみえるのは 残念であるに違いない →本性が見える「ような」と訳す。
例⑥)いかならむ世にも、この世のものならぬ人と見むこと、いとわりなし。(源氏物語)
もしどのような時代であっても、この世のものとは思えない人を見ることは非常に不思議なことである。 →仮定の話をしている。
↓ 基本的な文法事項をまとめたプリントです。(復習などに使ってください。)
「む・むず」の識別
「む・むず」の助動詞は複数の意味があるため、その言葉が何の意味かを判断(識別)する必要があります。
判断の基準があるものの例外も多いため、現代語訳をして意味を確認する必要があります。
識別の順番としては①仮定・婉曲 → ②推量・意志・適当・勧誘 の順で判断します。
①文中に出てきた場合は「仮定」か「婉曲」が多くなります。(例⑥)
下に体言が続いていれば「婉曲」、それ以外なら「仮定」になることが多いです。
ただし、「〜と」の下にある「む・むず」は違ったり、体言が省略されていること(例⑤)もあるので注意が必要です。また、訳さなくても文意はわかるため、気にせずに読み進めることも可能です。
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②文末にあるものは「推量」「意志」「適当」「勧誘」が多くなります。
さらに、「む・むず」が付属している動作の主語が
一人称なら「意志」、二人称なら「適当・勧誘」、三人称なら「推量」になります。
また、「こそ〜め」は「適当・勧誘」になりやすい、「連用+てむや・なむや」は「勧誘」になりやすいなどのパターンもありますが、例外もあるので、必ず現代語訳して適切な訳になっているかを確認するようにしてください。
練習問題(PDF)
助動詞「む・むず」の練習問題です。
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助動詞 「む・むず」 練習問題 識別②
(解答は適当と勧誘、仮定と婉曲を分けて答えていますが、適当・勧誘、仮定・婉曲と答えても大丈夫です。)
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