推量・意志・可能・当然・義務・命令・適当・勧誘の助動詞「べし」の基本的な活用、識別の仕方をわかりやすく解説しています。また、識別の練習問題を無料でダウンロードすることができます!
助動詞「べし」の基本知識
助動詞「べし」は①推量、②意志、③適当・勧誘、④当然・義務、⑤命令、⑥可能の6つの意味があり、
「スイカトメテ」という語呂で覚えます。(「スイカカエテ」は「む・むず」)
「べし」は終止形(ラ変型は連体形)に接続し、
「(べく)・べから / べく・べかり / べし / べき・べかる / べけれ / 〇」という形容詞型で活用します。
①推量「〜だろう」 …主語が三人称のことが多い。
例①)人は、かたち・ありさまのすぐれたらんこそ、あらまほしかるべけれ。(徒然草)
人は、容貌や容姿が優れているようなことが、望ましいことであろう。
…「人」という概念が主語になっていて「三人称」と判断することができるため「推量」と判断する。
②意志「〜よう」 …主語が一人称が多い。
例②)毎度、ただ、得矢なく、この一矢に定むべしと思へ。」と言ふ。(徒然草)
毎回、ひたすらに、後の矢はなく、この一本の矢で決めようと思え。」と言う。
③適当・勧誘「〜がよい、〜たらどうだろうか」…主語が2人称に多い。
適当は自分がいいと思うことをただ述べる(提案に近い)、勧誘は2人称に対して誘う表現。
例③)世の常のすきずきしき筋には、おぼしめし放つべくや。 (源氏物語)
世間普通の浮気な人間と思い捨ててなさってよいものでしょうか。 →自分がいいと思う考えを述べている。
④当然・義務・(仮定)「〜はずだ、〜なければならない」…文中に出てくることが多い。
「当然」と「義務」の訳し方に違いはほとんどなく、「当然」で訳せば文意を把握できます。
例④)まださるべきほどにもあらずと、皆人もたゆみ給へるに、にはかに御気色ありて、悩み給へば、(源氏物語)
(葵の上)はまだそうであるはずの時期(お産の時)ではないと、だれもが気をゆるしていらっしゃる時に、急に産気づかれて、お苦しみになるので、
…出産の時期はある程度決まっているものなるため「当然」と判断することができる。
⑤命令「〜せよ」
例⑤)御文、不死の薬の壺ならべて、火をつけて燃やすべきよし仰せ給ふ。
手紙と薬の壺を並べて、火をつけて燃やさなければならないという旨をお命じになる。
⑥可能「〜できる」…下に打消しの語を伴うことが多い。
例⑥)羽なければ、空をも飛ぶべからず。竜ならばや、雲にも乗らむ (方丈記)
羽がないので空を飛ぶことができない。もし龍であったら、雲にも乗るだろうか。
例⑦)高き山の峰の、下り来べくもあらぬに、置きて逃げて来ぬ。(大和物語)
高い山の峰の、下りてくることができないところに、置いて逃げてきた。
↓ 基本的な文法事項をまとめたプリントです。(復習などに使ってください。)
「べし」の識別
「べし」の助動詞は複数の意味があるため、その言葉が何の意味かを判断(識別)する必要があります。
判断の基準があるものの例外も多いため、現代語訳をして意味を確認する必要があります。
識別の順番としては①可能 → ②推量・意志・適当・勧誘・当然・義務・命令 の順で判断します。
①下に打消しの語(助動詞「ず」 など)がある場合は「可能」(例⑥)
※例⑦のように下に打消しの語を伴わない場合もあるので、必ず現代語訳してください。
↓
②「推量」・「意志」・「適当・勧誘」・「当然・義務」・「命令」は人称による判断を行います。
動作の主語が
一人称なら「意志」、二人称なら「適当・勧誘」・「当然・義務」・「命令」、三人称なら「推量」・「当然・義務」になります。
下に「思う」が続くとほとんどが「意志」になります。
「ぬべし」は「きっと~だろう」と訳すため「推量」になるなど、熟語的なものが暗記しておくと識別が楽になります。
例外もあるので、必ず現代語訳して適切な訳になっているかを確認するようにしてください。
練習問題(PDF)
助動詞「べし」の練習問題です。
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助動詞 「べし」 練習問題 識別②
(解答は「適当・勧誘」は「適当」、「当然・義務」は「当然」と書いています。この2つの識別は必要ありませんが、必要な方は現代語訳から判断してください。)
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