【言語文化・古典探究】宇治拾遺物語 〜 伴大納言のこと 〜 解説と練習問題(PDFダウンロード可能)

古典読解

宇治拾遺物語の「伴大納言のこと」の解説と問題を無料で閲覧・ダウンロードすることができます!

宇治拾遺物語とは

「宇治拾遺物語」は鎌倉時代初期の1220年ごろに書かれた説話集です。作者不詳。

197の説話からなり、上下の2巻または、15巻に納められている。

序文によると、平安時代に成立した『宇治大納言物語』に入らなかった説話(「宇治に遺れるを拾ふ」と書かれている)とそれ以降に書かれた説話をまとめたものだとされています。

内容は、仏教説話系と世俗説話系の2つに分かれ、身分を問わず、様々な人物の視点で書かれています。他にも中国、インドなどの説話も収録されています。

「わらしべ長者」など現在でも有名な話のモデルになったり、芥川龍之介の「鼻」は宇治拾遺物語の「鼻⻑き僧の事」から着想を得て書いたとされていたりと様々なものに影響を与えています。

鎌倉時代に書かれた説話は「古今著聞集」や「沙石集」などがあります。

「伴大納言のこと」の大まかな内容

 伴大納言善男は、若い頃、身分の高くなる夢を見たが、妻に語ったため凶夢とされ、郡司から「将来高位にのぼるが事件により罪を受ける」と予言される。のちに都に上り大納言にまで出世するが、実際に罪を被り、その予言がその通りになったことが語られている。

原文

 これも今は昔、伴大納言善男は佐渡の国の郡司が従者なり。かの国にて善男、夢に見るやう、西大寺と東大寺とを跨げて立ちたりと見て、妻の女にこの由を語る。妻の曰く、「そこの股こそ、裂かれんずらめ」と合はするに、善男驚きて、「よしなき事を語りてけるかな」と恐れ思ひて、主の郡司が家へ行き向ふところに、郡司、極めたる相人なりけるが、日ごろはさもせぬに、殊の外に饗応して円座取り出で、向かひて召しのぼせければ、善男あやしみをなして、「我をすかしのぼせて、妻のいひつるやうに股など裂かんずるやらん」と恐れ思ふ程に、郡司が曰く、「汝、やんごとなき高相の夢見てけり。それに、よしなき人に語りてけり。必ず大位には至るとも、こと出で来て罪をかぶらんぞ」と言ふ。

 しかる間、善男、縁につきて京上りして、大納言に至る。されども、猶罪をかうぶる。郡司が言葉に違はず。

現代語訳

 今となっては昔のことだが、伴大納言善男は佐渡の国の郡司の部下である。その国で、善男が夢に見たのは、西大寺と東大寺とを跨って立っていると見て、妻にこのことを話した。妻が言うには、「貴方の股こそ裂かれるのでしょう」と夢合わせをすので、善男は驚き、つまらない事を話してしまったなあと恐ろしく思って、主人の郡司の家へ向かって出かけて行ったところ、主人の郡司が家に向かったところ、郡司はきわめてすぐれた人相見であったが、日頃はそんなことをしないのに、たいそう酒食を出してもてなし、円座を取り出し、向かい合って招き寄せたので、善男は不思議に思って、自分をだまして座らせ、妻が言ったように股などを裂こうとするのだろうかと恐ろしく思っていると、郡司が言うには、「お前はこのうえない高い地位に昇る夢を見た。それなのに、つまらない人に語ったのだ。必ず高い地位に昇っても、事件が起きてその罪を被ることになるだろう」と言う。

 そのうち、善男は縁を頼って京都に上り、大納言までのぼった。しかし、やはり罪を被る。郡司の言葉に違いはなかった。

解説(ポイントのみ)

①これも今は昔、伴大納言善男は佐渡の国の郡司が従者なり。

「佐渡の国」は現在の新潟県。「なり」は体言に接続しているため「断定」の助動詞。

②かの国にて善男、夢に見るやう、西大寺と東大寺とを跨げて立ちたりと見て、妻の女にこの由を語る。

「たり」は連用形に接続しているため「存続」の助動詞。

③妻の曰く、「そこの股こそ、裂かれんずらめ」と合はするに、善男驚きて、「よしなき事を語りてけるかな」と恐れ思ひて、

妻「の」は主格の助詞。「こそ」は強調の係助詞で、結びの語は「らめ」。「れ」は「受身」の助動詞。「むず」は「推量」の助動詞。

④主の郡司が家へ行き向ふところに、郡司、極めたる相人なりけるが、

「なり」は体言に接続しているため「断定」の助動詞。

⑤日ごろはさもせぬに、殊の外に饗応して円座取り出で、向かひて召しのぼせければ、

「ぬ」は未然形に接続しているため「打消」の助動詞。「円座」は「わらふだ」と読む。

⑥善男あやしみをなして、「我をすかしのぼせて、妻のいひつるやうに股など裂かんずるやらん」と恐れ思ふ程に、

「んずる」は「推量」の助動詞が音便化したもの。「やらん」は「にやあらむ」が省略されたもので、「~だろうか」と訳す。

⑦郡司が曰く、「汝、やんごとなき高相の夢見てけり。それに、よしなき人に語りてけり。必ず大位には至るとも、こと出で来て罪をかぶらんぞ」と言ふ。

見「て」と 語り「て」は「強意」の助動詞。「ん」は「推量」の助動詞が音便化したもの。

⑧しかる間、善男、縁につきて京上りして、大納言に至る。されども、猶罪をかうぶる。郡司が言葉に違はず。

練習問題(PDFダウンロード可能)

問題は

①本文中にある動詞・助動詞の確認問題(品詞分解)

②読解問題

の2パターンあります。

無料でダウンロードすることができます!(できない場合は連絡ください。)

学校で学習してない文法事項や知識があった場合は解かずに次の問題を解いてください。

宇治拾遺物語「伴大納言のこと」 品詞分解 問題

宇治拾遺物語「伴大納言のこと」 読解問題①

宇治拾遺物語「伴大納言のこと」 読解問題②

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